「競売の流れと、いつまで住んでいられるのか?」

競売ではどのようなことが行われ、あとどれくらい住んでいられるのか?

おおまかな流れはWeb上の「BIT 不動産競売情報サイト http://bit.sikkou.jp」で見ることが出来ます。
このサイトは、競売物件の入札(購入)を検討している方向けですが、競売に関するQ&Aや用語集なども載っていますので、是非ご参考にされて下さい。

ご自宅が競売に掛けられると、裁判所から競売の開始決定の通知が、郵送で届きます。(※借入先の金融機関から、競売開始の連絡が来ることはありません。)債権者(金融機関等)の申立てを受けた裁判所は、6ヶ月以上の期間をかけて、競売の手続きを進行していきます。
裁判所からの通知の中には、「不動産執行の手続きの流れ」という今後の流れが記載された用紙も同封されています。そこにはこのように書かれています。

①競売開始決定②不動産の調査③評価証等の提出④売却日程等の通知⑤入札・開札⑥売却決定⑦代金納付⑧配当

①競売開始決定とは
債権者の申し立てが認められ、裁判所が競売開始の決定を下すと、謄本にその旨記載されます。そして先程の開始決定の通知が送られてきます。そこには当事者(債務者)の氏名・競売の対象となる物件・申立て債権者・債権などが記載されています。そして、送付書類の中に、頻繁に「執行官(しっこうかん)」という言葉が出てきます。執行官というのは、今回の競売を任された担当窓口の職員だと思って下さい。この後、説明する不動産の調査や当事者との連絡は、全てこの執行官が行います。管轄の裁判所によって、違いはありますが、現場でお会いさせていただいた印象としては、比較的親切な方が多い印象です。

②不動産の調査とは
競売の対象となっている物件を調査をするために、執行官と不動産鑑定士がやってきます。目的は、今後競売に掛けるための参考資料として、物件価格や物件に係る権利関係、現況を調査する為です。執行官が物件に関わる質問をいろいろとしてきます。「どこか壊れている所はありますか?」「誰がすんでいますか?」など。その時は、嘘はつかずに真摯にご対応ください。そして何より、必ず立ち会うようにして下さい。(※いきなりはきません。事前に、日程調整の用紙は送付してきますのでご安心ください。)その連絡を無視して放っておくと、鍵の業者を連れてきて、無理やり開錠をして中に入ってきます。最悪の場合、ドアを壊してでも入れる権利を裁判所はもってますので、ご注意ください。当日立ち会ってほしいもう1つの理由として、執行官に今後の流れや競売についてわからないことをぜひ質問して下さい。質問には丁寧に答えてくれるはずです。

③評価証等の提出④売却日程等の通知とは
執行官と不動産鑑定士が裁判所に、不動産調査の結果の書類を提出します。ここでは3種類の書類ができますので、不動産の調査書類は、3点セットとも呼ばれています。この書類が揃いますと、売却日程が決定します。調査によって出た、物件価格と今後の売却日程の通知が、間もなく当事者(債務者)に送付されます。

⑤入札・開札とは
入札できる期間は8日間です。ここでのポイントは「入札期間の2週間前から物件調査の情報は、一般公開される」ということです。裁判所内での閲覧や、先ほどのBITという情報サイトでも見ることが出来ます。個人情報に関わる名称などは見れませんが、それ以外の情報、部屋の写真などが誰でも見ることが出来ます。そしてこの頃から、入札検討者が物件の外観を見にきます。敷地内に入ってくる人がいたら、もちろん通報可能ですが公道から家の写真を撮るなどの行為は、注意することが出来ません。たまに悪い業者が裁判所の名を名乗り、家の中を見に来ようとします。裁判所は、必ず事前連絡の上きますので、突然の訪問者は全て部外者だと思って下さい。
入札期間を終え、1週間後に開札が行われます。一番高い金額は誰か、札をすべて開けます。執行官が会場で読み上げていきます。この開札発表まで、競売の取下げが可能です。発表後の取下げは、一切認められません。ですが開札日当日の朝に取下げでは、直前過ぎますので、一般的には開札日の前日までが期日といわれています。(※債権者により、前倒しの取下げ期日の設定がされているところが大半ですので、事前に債権者にご確認下さい。)

⑥売却決定とは
開札の翌週に売却の決定が行われます。一番高値の落札者が、買受人として問題ないかを裁判所が調査、判断を下します。

⑦代金納付とは
正式に買受人が決定されると、代金納付の手続きへと進みます。代金納付がされると同時に、所有権も移ります。所有権が移ると、いよいよ住んでいる物件から退去をしなければいけません。

⑧配当とは
競売最後の手続きとして、競売の落札価格から債権者へ返済が行われます。

以上が競売の流れです。それぞれの手続きの所有時間は
①競売開始決定(1~2か月)
②不動産の調査(1~2か月)
③評価証等の提出+④売却日程等の通知(2~3か月)
⑤入札・開札+⑥売却決定(1か月)
⑦代金納付(1か月)
⑧配当(※所有権移転)
上記を踏まえますと、裁判所の状況や物件によって前後はしますが、手続きの流れが短い期間で済むケースでも、
「競売開始から6ヶ月以上は住んでいられます」。中には、1年以上住んでいたケースもあります。

ある程度の競売の流れや期間を知っていただくと、事前の準備や新しい生活に向けての計画が立てやすくなります。

 

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